日射量データの計算
発電量を求めるための入力となる日射量データはNEDOのHPでツールが利用できます。2017年にはサイトで実行できましたが、今はダウンロードする形のようです。
https://www.nedo.go.jp/library/nissharyou.html
ご利用はこちらからにある①日射量データベース閲覧システム、②METPV-11データファイル、③MONSOLA-11データファイルをダウンロードします。下記のZIP圧縮ファイルですのでこれを解凍してください。解凍すると下記のフォルダが作成されます。
日射量データベース閲覧システム_ver2.1の下にはsetup.exeがありますので実行すると日射量データべ-ス閲覧システムが導入されます。
METPV11、MONSOLA11mの下には解凍するとデータが展開されますので適切なフォルダに置いておきます。日射量データベース閲覧システムでフォルダの場所を設定します。
使用方法
導入した日射量データベース閲覧システムを起動すると以下の初期画面が表示されます。
年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)をクリックすると下記が表示されロケーションを選択できるようになります。シミュレーションしたい地域を選択するか右側のエリア地点で選択もできます。
ここで日射量を参照したい場所を選択します。検討したい案件をネットで探して、そのシミュレーションを検討します。
例えば、横浜の日射量は上記の画面から正方形を選択します。ここでは下記の緑になっている中央の四角形を選択します。
選択した正方形内の観測地点のピンが下記のように表示されます。この中の横浜と吹き出しの出ているピンを選択します。右側に周辺の地名が出ています。右下の”この地点のグラフ”を表示を選択します。
下記のグラフが表示されます。左側の中央部で太陽光パネルの方向、仰角を入力して設定を自分の検討している発電パネルに合わせます。パネルの方位角を下部の方位角で選択します。
選択後下記の画面になります。この画面で横軸平均のあたいが 年間平均の日射量になります。
平均をマウスでポイントすると平均値が出ます。
3.91kw/m2*dayという単位の数値が出ます。これが単位面積当たり、一日の日射量平均値です。パネルの発電容量は以下の式で表します。
発電量(1日)=1日あたりの平均日射量(H)×システムの容量(P)×損失係数(K)
損失係数はデフォルトでは0.85をとることが多いようですのでこれを採用します。これからシステム容量84.96の発電パネルであれば下記のようになります。
発電量(一日)=3.91 x 84.96 x 0.85 = 282.36kw
発電量(年間)=発電量(一日) x 365 = 103063kw
ここで、FIT単価が四十円台から十円台になってきてパネル容量は過積載となりました。これは投資効率を維持するため、単価が下がった分プラント側でパネルをたくさん積んで発電量を増やさないと投資されないためです。
通常太陽光は昼間の時間とともに下記のような変化をします。昼をピークに午前午後日照がだんだん立ち上がりだんだん明るくなりそして暗くなります。
太陽光パネルの発電容量大きくなると日照のピーク時に発電電力が50kwを超えてしまいます。低圧の規定では50kwに制限しないと規定外になってしまいます。このためてっぺんのところが、49.5kwでカットされます。(パワコンの制御仕様で50kwではなく49.5kwだと思います)
過積載の発電量はこのピークカットを考慮しなくては発電量を多く見積もってしまいます。実際の発電電力波形は以下のようになります。中央がピークカットで平らになります
ピークカット量は過積載量に従ってパーセンテージで表されます。下記を参考にしました。
84.96kwパネルの場合は170%過積載ですので、6%ぐらいのピークカットになります。
103063kw/年 x (1 - 0.06) = 98940kw/年
毎月の数字と年間の数値は同じ方法で計算できますので見積もりで出てきているシミュレーションの損失係数の大きさが妥当かどうかがポイントになります。この数字が大きい時は怪しいですね。本当かとなります。
参考までにこれに売電単価をかけると年間売り上げになります。
売上(年間) = 98940kw/年 x 21円/kw = 2,077,750円/年
このように数値を出して案件の発電シミュレーションの妥当性を評価します。